すまい職人体験モデル事業 と
すまい職人きらりアップ体験塾
目次
すまい職人体験モデル事業
(1)体験モデル事業の目的
建築関係団体の協力の下、工業高等学校や高技術専門校の生徒達に、中学校敷地に小規模な建築物を建築する職業体験、実習の場を提供するとともに、小中学生に向けた職人の魅力発信に取り組んだ。
また、このモデル事業を記録整理し、職人の魅力を発信する教材(DVD)を作成した。
(2)事業の実施体制
@役割分担
- 全体統括、技術指導 → 株式会社 南建設
- 設計、工事管理 → 弘前工業高等学校(3年生有志5名)
- 材料加工、施工 → 弘前高等技術専門校(2年生)
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弘前市立第三中学校校舎 |
建設前現地写真(南西側から) |
A建物の概要
- 名称:「三中・待ちステーション」
- コンセプト: 中学生が休み時間や親の送り迎えを待つあいだに友達同士でベンチに座って話をしたり、親が子どもを送り迎えするときに子どもが来るまで少し腰を下ろして一休みできるような学校内の駅。
- 建物規模:9.72u
- デザイン:校舎や正門に調和した擬洋風の意匠、色彩イメージ。
学校活動のPRができるように、建物内部に掲示板を設置。
建物内部には固定式ベンチ、外部にも可動式のベンチを配置。
図:待ちステーション
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完成した「三中・待ちステーション」北側 |
完成した「三中・待ちステーション」南側 |
B建設工程
a.三中側の要望調査(6月10日)
b.弘前工業高校の生徒がイメージスケッチを作成。(6月23日〜7月15日)
c.生徒自ら、イメージスケッチをプレゼンテーション。(7月16日)
d.要望を踏まえ1案に集約し、図面作成(7月17日〜29日)
e.作成した図面をもって、三中と最終協議。(7月30日)
f.図面完成。(株)南建設による図面チェック、確認申請等の手続き。(8月上旬〜中旬)
g.(株)南建設が基礎工事。(9月7日〜30日)
h.高等技専校の学生が材料加工。(9月14日〜28日)
i.(株)南建設が本体工事。(10月2日〜10月30日)
- 木工事は(株)南建設監理・指導のもと、技専校の学生が担当。 (10月2〜27日)
- 上棟式(10月6日)
j.引き渡し式(11月16日)
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技専校での木材加工の様子
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技専校生の現場作業の様子
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技専校生の現場作業の様子
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建築工程を説明する看板を設置 |
PR用看板を道路に向けて設置 |
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上棟式
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引き渡し式:協議会会長から生徒会長に鍵のレプリカを贈呈 |
引き渡し式:最後に全員で記念写真 |
C小中学生への魅力発信
a.小学生の現場見学
- 対 象:文京小学校の6年生児童。
- 実施日:建物構造が分かるように柱小屋組後を設定。
- 内 容:待ちステーションの概要、建設工程の説明。
柱や梁など、模型を使って構造の説明。
建物づくりの工程を体験(釘打ち、色塗り、モルタルづくり等)
→ 10月8〜9日の2日間を予定していたが、台風直撃より当日中止。
b.中学生によるベンチづくり体験
- 対 象:第三中学校3年生28名(選択科目・技術を選択している生徒)。
- 実施日:10月9、15、22、29日の4コマ。
- 内 容:大工、技専校生の指導による「待ちステーション」外部に設置するベンチ作り体験。
1回目 土台の組立 → 部材に紙ヤスリがけ、組立、ビス穴あけ、ビス止め
2回目 1回目の作業を継続。
天板を固定 → 部材に紙ヤスリがけ、ビス穴あけ、ビス止め
天板を切断 → 余った部分をノコギリで切断。
3回目 塗装(上塗り)
4回目 塗装(下塗り)
→ インフルエンザ流行の影響もあり、参加生徒の減少により作業が遅れ、塗装作業を実施できなかった。4回目の授業で、中学生に色の選択をしてもらい、(株)南建設が塗装を実施。
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(3)事業後の検証
@子ども達の感想文
ベンチ作り体験に参加した生徒全員に感想文の作成を依頼。
A高校生、技専校生への感想文
設計に携わった弘前工業高等学校の生徒、待ちステーション建設作業に参加した弘前高等技術専門校2年生に感想文の作成を依頼。
待ちステーション完成を伝える学校通信
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校長先生発案の看板
(4)DVDの内容構成
・内容:「三中・待ちステーション」建設工事をベースに、建物ができるまでの工程、工程毎に関わる職人を紹介している。また、建設に関わる職人の仕事内容や魅力・やりがい等をインタビュー等により紹介している。
・用途:小中学校における職業教育、技術・家庭科、総合学習などの場面で、補助的な教材としての利用を想定している。
・対象:小学校5〜6年生、中学校1〜2年生
※このDVDの貸し出しについては、青森県住宅リフォーム推進協議会までお問い合わせください。