県産材を使ったリフォーム事例
春夏秋冬活躍するヒバの雁木は、伝統を伝えるメッセンジャー。
総ヒバのしっかりしたつくりと施主の愛着が、普通であれば解体されていたはずの母屋に再び活躍の場を与えることになりました。
改修前の母屋は築50年で、薄暗く寒いという生活には不便な状況でしたが、総ヒバづくりの面影を残しながら利便性を図り、吹き抜けで開放感を、大きな断熱サッシで明るさと機密性を確保しました。低い天井を取り払うことで出現したヒバの梁も、きれいに化粧直しされ、母屋本来の魅力を際立たせています。
現代テイストに満ちた青森ヒバの家
渡り廊下でつながる増築部分は、母屋のコンセプトを受け、青森ヒバを主材料に、明るく機能的な「現代テイストに満ちたヒバの家」になっています。車椅子にも対応できるバリアフリーの床や建具への配慮が、ゆったりした住空間を演出しています。
建物正面には玄関物置の代わりにヒバの雁木。張り出した庇は夏は日よけ、冬は雪よけなど多目的役割を果たす。
気密性を高めたことで、吹き抜けが気持ちいい、大きな空間を確保できました。
階段には古材との調和を図り、着色したマツを採用。
旧居の廊下敷板で作った玄関の下駄箱と収納。
60年前の職人の手による和室欄間はほとんど旧居のまま。
雁木から光が漏れて美しい夜のT邸。
リフォーム前
OUTLINE
所在地 | 青森市 |
建物種別 | 民間住宅 |
リフォーム内容 | 改修工事 |
リフォーム時期 | 平成17年8月完成 |
応募事業者 | 森内忠良建築設計事務所 |
使用した県産材 | 雁木柱:ヒバ/梁:ヒバ(古材) 階段:マツ/下駄箱と収納:ヒバの敷板をリメイク 構造材:ヒバ |
建材・工事の特徴 | 築60年の建物を、断熱性、構造的強度の高い住まいへ再生。古材とモダン、和と洋が調和した空間は旧居からの生活動線もしっかり確保されています。 |